名監督たちも熱戦
美しい紅葉に先導された伊勢路で、11月5日、全日本大学駅伝が開催されました。27チームが出場し、神奈川大学が20年ぶりの優勝。私は監督が乗るバスの中から、選手達を見守り、途中で車から降りて声をかける監督達の様子をお伝えしました。
大会前は青山学院と東海大学の2強と言われていただけに、バスの中は最初から大変。「彼はね、プロ並みに絵が上手いんだよ」と青山学院1区の中村祐紀さんのことを得意気に語ってくれた原晋監督。中村さんが早くも遅れ始めると、「あー」と、うなだれました。東海大の鬼塚翔太さんも遅れ、テレビ画面を見つめる両角速監督も心配顔。駒沢大学の大八木弘明監督は、先頭集団にいる片西景さんに「ユニバーシアードの金メダリスト(ハーフ)だからね。がんばらないと面白い駅伝にならないよ」と。「(上田)健太は1週間前にピークきちゃったかな」と、山梨学院大学の上田誠仁監督。
一昨年優勝した東洋大学の酒井俊幸監督は、3区西山和弥さんの快走に、「攻めの走りができている。ブレイクスル―だ」と。丁度私のリポートの時間がやってきたので、「乃木坂46のファンの西山さんですが…」と言い始めたら、酒井監督はズルッと椅子からズリ落ちかけました。
4区の混戦の時は、車の窓を開けて、「關(颯人)!絞り出せ!」と両角監督。「7秒、7秒!」と原監督。「もう1回、もう1回、粘れ!」と大八木監督。監督達は本当に熱いです。
神奈川大学の大後栄治監督は、ずっと静かに画面を観入っていました。でもアンカーの鈴木健吾さんがトップで独走を始めると、「よし」と。初優勝は20年前。「32歳でしたが、私も52歳になりました」と感慨深気でした。
(共同通信/2017年11月6日配信)
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