鍋島さんの快走が力に
雪化粧した比叡山に見守られた1月14日、皇后盃第36回全国女子駅伝が京都市で開催されました。兵庫県が2位の京都府に1分以上の差をつけ、14年ぶりの優勝。「後半勝負」の作戦通りに6、7、8区の連続区間賞で見事に勝負を決めました。
そして今回、過去最高順位と過去最高タイムを共に更新したのが高知県チーム。1区で区間賞に輝いた鍋島莉奈さん(JP日本郵政グループ)は昨年夏のロンドン世界陸上女子5000mの日本代表選手。ところが1月3日からインフルエンザにかかり、鹿児島県徳之島での合宿中に4日間寝込んでしまいました。でも「高知県の監督が山田高校の恩師なのでどうしても走りたかった」と。鍋島さんは高校時代にかけられた永田克久監督の数々の言葉が今も支えになっているそうです。
1週間前でもジョギングくらいしか出来ない状態だった鍋島さん。それでも最善を尽くそうと思い、レースは「先頭集団につかせて貰いました。最後だけ出るというのは本意ではありません」と、レース後、申し訳なさそうに話しました。それでもトップは立派。その襷を受け取った山田高校OGの西松美樹さん(関西外語大)も後の選手達も必死で頑張りました。そして高知県チームは過去最高の16位。
永田監督は、「鍋島さんのお陰で本当に良い雰囲気でのう。中学生や高校生は、日頃から一緒になるなんてないから喜んで、食事中に色んなことを聞いとりました。またそれに丁寧に答えてくれよる」と。また鍋島さんも「監督に喜んで貰えて本当にヨカッタ」と嬉しそう。きっと故郷の中から鍋島さんに続く選手が出てくることでしょう。心も歴史も?いでいく、駅伝の素晴らしさを感じました。
(共同通信/2018年1月15日配信)
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