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おしゃべり散歩道2018

杜の都を駆ける川内さん

 若葉のエネルギーに包まれた仙台市で、5月13日、仙台国際ハーフマラソンが開催されました。注目は川内優輝さん(31歳)。4月のボストンマラソンで、日本人31年ぶりの優勝という快挙を成し遂げました。その後も毎週のようにレースに参加。「母の日開催の仙台のレースは母の誕生日も近いので毎年一緒に来ています」と川内さん。髪の毛がフサフサで帽子を被っているみたい。「いつも駅や空港の散髪屋さんで切っていますが、ボストンの後バタバタしていたので、伸びましたね」と苦笑い。その横でお母さんの美加さんは微笑みながら「来年のことを考えると、空の巣症候群です」と。
 美加さんには、優輝、鮮輝、鴻輝、という3人の息子がいます。ずっと一緒に暮らしてきましたが、今年4月に地元久喜市議会議員になった鴻輝さんが家を出ました。そして結婚を控える鮮輝さんが間もなく家を出て、来年にはプロ宣言をした優輝さんが家を出ます。「あと10ヶ月と思うと寂しい」と美加さん。
 美加さんは13年前にご主人を病気で亡くしました。その後、必死で3人の息子を育てて来たのです。「食べる量も洗濯の量も半端でなかった」と言いながらも、充実した日々だったようです。「独り暮らしになって、外食ばっかりにならなきゃいいけど」と今から優輝さんの体を心配する美加さん。
 「今回は1時間3分台で走れたらいい」と話していた優輝さんは、その目標通り1時間3分41秒(7位)でフィニッシュしました。ハーフを常にその記録で走れれば、マラソンを2時間10分を切って安定して走れるからだそうです。考えて競技する優輝さん。これからも母の思いを胸に、元気に輝き続けることでしょう。

(共同通信/2018年5月14日配信)

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