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おしゃべり散歩道2018

マラソンは旅だ

 衣替えの白いシャツで朝の風景が明るくなる前日、2020年東京五輪のマラソンコースが発表されました。新国立競技場をスタートして、戻ってくる折り返しコース。「マラソンは旅だ」と思っている私にとっては、原点に帰った嬉しさがあります。最近の五輪や世界選手権では、10kmほどの周回コースをグルグル周ることが多かったからです。それは運営面で警備費などのコストを抑えることが出来ますが、選手からは「あまり気分転換できない」という声が聞こえました。
 今回発表されたコースは、観ている者にとってはたまらなく楽しいものです。日本橋、浅草、銀座、芝、皇居などなど、江戸から明治、現代までの様々な東京を味わうことができます。でも選手にとっては景色よりもアップダウン。終盤35km過ぎの市ヶ谷の上り坂が勝負のカギになるかもしれません。メダルを狙うアフリカ勢は、その辺りからのスパート勝負に持ち込みたいでしょう。スパート勝負では及ばない日本選手がメダルを獲得しようと思ったら、ロングスパートをする作戦にでるかも。そうなると、25km付近の東京タワーや、残り10kmとなる皇居付近がポイントになりそう?
 日本選手には地元開催の利を大いに生かして欲しいと思います。コースの歩道を走って、コーナーや上り下りの感覚を体に染み込ませることが出来ます。本番と同じ時間帯でコースのどの部分にビルが作る日影が多いかも確認出来る。それで位置取りをイメージ。また本番一年前の選考レースでは、同じコースを使う可能性も。女子長距離リーダーの山下佐知子さんは「日本選手にとっては、東京の暑さ、湿度の高さは追い風ですよ」と話します。がんばれ、ニッポン!

(共同通信/2018年6月4日配信)

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