スポーツと栄養
百日紅の花が早くも咲いた7月下旬、パシフィコ横浜で「全国栄養士大会」が開催されました。全国から参加した幅広い年齢層の方々の前で、私は公認スポーツ栄養士のこばたてるみさんと「スポーツ栄養〜管理栄養士に期待すること」をテーマにトークショーを。というのも、2020年が近づくなか、どの競技種目においても栄養士の皆さんの力が必要になるからです。
こばたさんから、「増田さんは、選手の頃に食事で気をつけていたことはありますか?」と質問され、「貧血症だったので鉄分補給に気をつかいました」と答えました。鉄分を豊富に含むレバーが苦手だったので、カキやほうれん草、ヒジキなどを沢山食べていたのです。すると、「ヘモグロビンは、ヘモ(鉄)とグロビン(球状タンパク質)ですからね」と、こばたさん。恥ずかしながら、この日、初めて私は貧血予防には鉄分だけでなく、タンパク質と共に摂ることが大切なのだと知りました。
最近はナショナルチームや実業団の強化合宿に栄養士が同行しますから、このような知識を学べることはありがたいです。ただ問題なのは、ジュニア選手たち。体が成長する大事な時期に、栄養士の方々と接することがあまりありません。もっとアドバイスを受ける機会を増やす必要があると思います。
最後に「栄養士の方々に何か要望はありますか?」と聞かれたので、「愛嬌力と会話力」と、私。何故なら、長距離種目は国内外で1ヶ月位合宿をすることがあります。栄養士の方が、明るく会話が弾む人だとチームのムードが良くなり、心にも栄養を与えてくれるのです。その存在はとても大きい。スポーツと栄養を結ぶ楽しいトークショーでした。
(共同通信/2018年7月30日配信)
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