防ぎたい体の活力低下
虫の音が秋の呼び鈴のように感じられた9月上旬、香川県の三豊・観音寺市医師会主催の健康教育講演会に招かれました。三豊市はバドミントンの桃田賢斗さんの故郷です。桃田さんは10代の頃から日本を代表する選手でしたが、違法賭博問題で無期限の出場停止に。心が折れたと思いますが、反省して、その間も練習を積み重ねて見事に復活。この夏の世界選手権では金メダルに輝きました。「桃田さんは金継ぎみたいな人ですね!」と言ったら会場から大拍手。彼の人気が分かります。金継ぎとは、壊れた茶碗などの陶磁器を漆と小麦粉を混ぜたものでつなぎ、元にもどす日本古来の修復技法。壊れる前よりも美しくなって蘇る、この金継ぎが今、海外でも人気なのです。
この日は、三豊総合病院の久保輝明さんが私の前に講演を。運動器の障害であるロコモ(ロコモティブシンドローム)予防の体操を披露するなど、健康講演会の核となるお話で会場を暖めてくれました。そして控室では久保さんから新しい言葉を教わったのです。それは「フレイル」というもの。加齢と共に心身の活力が低下。体がストレスに弱くなっている状態のことをいい、かぜをこじらせて肺炎になったり、転倒して骨折したりしてしまうそうです。
フレイル状態にならないためには、「持病をコントロールして、しっかり栄養を摂り運動することです」と久保さん。筋力が大事だと話ました。今年は自然災害が多く、避難所生活を余儀なくされている人もいます。栄養不足、運動不足になりがちですが、ちゃんと食べて、ロコモ体操やウオーキングなどを行って欲しいと思います。みんなで誘い合って、フレー、フレー、フレイル対策です!
(共同通信/2018年9月10日配信)
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