増田明美のホームページ ビデオメッセージへ各種お問い合わせへトップページへ

TOP > おしゃべり散歩道 > 2018年目次 > エッセイ第49回
プロフィール
おしゃべり散歩道
イベント情報
出演予定
執筆活動
リンク集

おしゃべり散歩道2018

若い選手の挑戦

 冬ざれの景色を色とりどりのユニフォームが暖めた、さいたま国際マラソン。優勝したのはバーレーンのダリラ・ゴサ選手(20歳)。ゴールタイムは2時間25分35秒で、前半のハーフよりも後半のハーフの方が1分近く速いことが強さを象徴しています。ゴサさんは今回が2回目のマラソンで、ローマでの初マラソンは2時間26分46秒。「マラソンは簡単だった」とレース前日に話し、私はただ者ではないと思っていました。昨年、ランナーのアブリ・アリーさん(30歳)と結婚し、ゴサさんは充実感に溢れているのです。若さといい、これから日本選手の強力なライバルになりそうです。
 日本勢は、招待選手の今田麻里絵さん(岩谷産業)と一般参加の床呂沙紀さん(京セラ)が23kmまで先頭集団についたものの、そこから離されてしまいました。でも今田さんはMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)まであと35秒。惜しい結果でしたが、自己ベストを2分25秒も上回る走りは立派。廣瀬永和監督も「百点満点、自信を持って3月の名古屋ウイメンズマラソンに向かえるでしょう」と話しました。また床呂さんは中間点をハーフの自己ベストよりも1分速く通過。佐藤敦之監督は「あの勇気がいい。速かったわりには後半大きな失速はしていない。次のレースが楽しみです」と。2人共にさいたま国際をバネに、次の名古屋で更なる飛躍を考えているようです。
 埼玉の舞台は、こんな2人のように若手選手の挑戦の場にふさわしいのかもしれません。がんばった2人のユニフォームの色は赤。埼玉のコース沿いを彩っていた生垣の赤い寒椿のように、これからも寒さに耐えて可憐に花を咲かせることでしょう。

(共同通信/2018年12月10日配信)

次のエッセイを読む 【2018年の総合目次へ】 前のエッセイを読む


Copyright (C)2001-2021 Kiwaki-Office. All Rights Reserved.
サイト内の画像・文章等の転載・二次利用を禁じます。