工夫した大会実施
春の嵐のように、新型コロナウイルスが猛威を振るっています。数多くのイベントが中止になるなか、東京マラソン、名古屋ウィメンズマラソンも市民の部の中止を決定しました。エリートランナーのみの出場です。
東京では男子、名古屋では女子の東京オリンピックマラソン代表残り一枠をかけた戦い。選手は相当緊張すると思います。それにも増して、いつもはスタートラインには選手達の後ろに2〜3万人がいてお祭りムードなのに、今回は少数精鋭の風景。余計に緊張するでしょう。会場の周りや沿道を春の花々で飾ってあげたい気がします。
1月の大阪国際女子マラソンで優勝した松田瑞生さんは「沿道の声援に力をもらった」と、浪速の熱い応援に心から感謝していました。今回は沿道での応援にも自粛要請がありますが、工夫しながら選手の背中を押す応援が必要だと思います。
ところで、名古屋ウィメンズマラソンでは参加出来なくなった市民ランナーへ、他の大会とは違った対応がなされています。専用のスマートフォンアプリを使い、後日発表されるルールに基づいて期間内に42.195kmを走れば完走賞がもらえるというのです。完走賞は有名ブランドのペンダントや化粧品。
この対応はランナーの気持ちに寄り添った素晴らしい施策だと思います。大会を目指して練習を積み準備してきたランナーにとって、一番がっかりするのは発表の場が失わること。大きな舞台はなくなりましたが、各地で完走を目指す仲間たちが集まって、ミニ舞台が作られることでしょう。そして集った仲間が次の舞台を一緒に目指すようになり、新たな輪が広がりそうですね。
(共同通信/2020年2月21日配信)
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