心に残るスポーツ名場面
韓国やドイツでは無観客でサッカーのプロリーグが始まり、台湾プロ野球は少人数ながら観客を入れての試合を始めました。日本のプロスポーツは慎重に開幕、再開時期を検討しています。
そんな中、選手たちからおウチで出来る様々な運動が動画でネット配信されています。中高生アスリートが参考になる本格的なものに加え、手軽に出来る面白いものも多く、普段あまり運動しない人でもスポーツへの扉を開けられそう。いつもは応援を受ける選手がファンへ恩返ししているようで微笑ましいです。
私は過去のスポーツ名場面を振り返る番組のナレーションが増えました。例えばマラソンでは、1992年のバルセロナ五輪で給水時に足を踏まれて転びシューズが脱げてしまった谷口浩美さんが8位でゴールイン。皆、心配しましたが「コケちゃいました」と明るい笑顔。言い訳をしない人柄の良さに、観ている人の心も和みました。またアテネ五輪では、ブラジルのデ・リマ選手がトップを走る中、沿道から妨害をうけ、走りのリズムを失い3位に後退。でも競技場へ入ると、両手を広げて飛行機の格好をして観ている人を安心させたのです。大らかなデ・リマさんのことをブラジルでは「金メダルより価値のある銅メダリスト」と言っているそうです。
そして、ソチ五輪フィギュアスケートでの浅田真央選手。ショートで16位と出遅れました。それでも翌日のフリーで自己最高記録。涙をこらえる独特の表情に、日本中が「真央ちゃん、がんばったね」と同じ気持ちになりました。メダルに負けない位人々の心に残る名場面は、何度観てもいいもの。勇気をもらい、自分もがんばる力になると思います。
(共同通信/2020年5月18日配信)
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