小さな舞台を大切に
九州南部に続いて四国も梅雨入りしたとのニュース。まあるい顔の紫陽花も嬉しそうです。新型コロナウイルスの感染拡大も一段落し、6月1日から中国地方では他県への移動自粛が解除に。
岡山で練習を続ける天満屋女子陸上競技部監督の武冨豊さんに電話でお話を伺うと「中国地方のチームで刺激練習しようと思っています」と。広島のエディオンやダイソーチームなどに声をかけて、合同で模擬レースをしようと考えているのです。選手たちは自粛期間ずっと試合のない練習を続けてきました。このあたりでピリッと刺激を入れて、どれだけ個人で頑張ってきたかを確認する舞台にもしたいそうです。
その自粛期間中も「長距離選手は道路や河川敷も走れるし、他の競技と比べると支障がない方ですよ」と武冨さん。東京五輪のマラソン代表に内定している前田穂南さんは、黙々と走り続け「また力をつけている」と。正にピンチをチャンスに変えられる人が強くなるのでしょう。
これからトラック競技は徐々に開催されそうですが、参加者が多いロードレースはもう少し時間がかかりそう。まだまだ工夫が大切です。東京では、今も不要不急の県を越えての移動は自粛要請されています。
そんな中、第一生命グループ女子陸上競技部は、寮の中にあるグランドで2000mのタイムトライアルを行い、新人6人が走りました。「彼女たちは大会がないまま、寮の中で2か月間練習だけでしたからね」と山下さん。グランドには緊張感が漂っていました。そして1位でゴールした櫻川響晶さんに、山下佐知子さんから商品券の贈り物。櫻川さんの目に薄っすら涙が。その姿に、小さな舞台の大切さを知りました。
(共同通信/2020年6月1日配信)
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