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おしゃべり散歩道2020

パラ陸上の熱い戦い

 埼玉県熊谷市で9月5、6日と開催された日本パラ陸上競技選手権。私は日本パラ陸連の会長として「暑い熊谷で熱い戦いをしましょうね!」と選手達を激励していたら、本当に素晴らしい結果になりました。久しぶりの試合に皆の枯渇感が爆発したのでしょう。世界記録1、日本記録21という結果は来年の東京パラリンピックに向けて弾みをつけた感じです。
 大会前日、美しいピンクのサルスベリの花に包まれたサブトラックに、中西麻耶さんと荒川大輔コーチの練習する姿が。走り寄って麻耶さんに、自粛期間中どうしていたのかを聞くと「大阪の河川敷や幾つかの公園で練習していました」と話す笑顔に充実感が表れていました。隣で荒川コーチが「スピード練習が出来て、むしろスピードは上がっているかもしれませんよ」と。麻耶さん、昨秋ドバイ世界パラ陸上で金メダルをとった時よりも体が締まり、筋肉質になった感じです。そして翌日は見事、6本の跳躍中、3本が自らの日本記録を上回る好記録。「久々の試合は嬉しかった。でもまだまだ課題ばかりです」と話す麻耶さんの来年が益々楽しみになりました。
 そしてドバイ世界パラ陸上で2冠に輝いた佐藤友祈さんは、昨年結婚した奥さんの麻由子さんといる時間が増え、「練習終わって家に帰るとホッとします。栄養バランスも考えてくれるので安心」と。「でも大会のない練習の日々は不安でキツかった」と、大会を開いてくれたことに感謝していました。
 コロナ禍の中、感染予防を徹底した上で来年のパラリンピックに向けて、選手の舞台を作ることが大切です。埼玉陸上競技協会の皆さんをはじめ、運営に関わった方々への感謝の気持ちが結果につながったのだと思います。

(共同通信/2020年9月7日配信)

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