五輪、パラ開催へ追い風
芸術の秋、久しぶりの観劇と初めての狂言を堪能。9月13日、友人の早霧せいなさんが出演した「ゲルニカ」(東京渋谷のパルコ劇場)は、スペインのバスク地方のゲルニカが舞台。戦争の悲惨さを描きつつ、早霧さん演じるジャーナリストが客観的に平和を訴える素晴らしい作品でした。マスク着用のうえ、入口では手指消毒に検温も。客席は1つおきにしか座ることが出来ず、観客は定員の半分。それでも終演後は、大きな拍手が鳴りやみませんでした。「久しぶりの舞台は嬉しいです。実力者揃いのキャストの皆さんとご一緒する時間は刺激的で勉強の日々です」と早霧さんの目は輝いていました。
そして9月17日は、水道橋の宝生能楽堂で「野村狂言座」を鑑賞。ここでもお客さんは半分に制限。野村萬斎さんの「咲曄」は現代でいうとドタバタコントのようで滑稽。マスク越しの笑いが絶えませんでした。演劇も動き出しています。
9月19日からはイベントの人数規制が緩和され、クラシックコンサートや演劇などの感染リスクが少ないものは、100%の観客を入れることが出来るようになりました。スポーツイベントは大声で応援することも考えられるため50%まで。それでも5000人の上限が外れ、大きなスタジアムでは2〜3万人が可能に。
スポーツや芸術エンターテイメントの舞台が開催されることは、来年の東京オリンピック、パラリンピック開催へ向けての大きな後押しになります。日常を取り戻している日本の状況を見れば、海外の選手や観客が安心して日本を訪れるでしょう。
スポーツ、芸術の秋。萎縮し過ぎることなく、正しく怖がりながら日常を取り戻すことが大切だと思います。
(共同通信/2020年9月18日配信)
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