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おしゃべり散歩道2020

圧巻の走り新谷さん

 玄界灘から吹く風も味方につけて、新谷仁美さんが激走しました。10月18日に開催されたプリンセス駅伝。優勝したのは積水化学で、新谷さんは花の3区で次元の違う走りを見せつけたのです。2013年のモスクワ世界陸上1万mで5位入賞という好成績をあげたものの、2014年に現役を引退した新谷さん。2018年に現役復帰すると、4年間のブランクをものともせず、5000mでは歴代2位の記録をマークしました。
 「3区まで何位できても新谷でトップに立つでしょう」と、レース前に野口英盛監督は話していましたが、1区の佐藤早也香さんから早くもトップ。2区の卜部蘭さんも好走し、1位のままタスキは新谷さんに。そして彼女は1q3分を切るスピードで飛び出し、ハイペースをキープ。区間記録を1分以上更新する走りをしました。
 5区を走った和田優香里さんが「新谷さんのプロ意識にいつも刺激されます」と言うように、チームに大変良い影響を与えているようです。「走る事でお金をもらっているのだから、結果で返す!」と話す新谷さん。ストイックですが、彼女の強さはオンとオフの切り替えにあるでしょう。大会2日前、宿舎にミニスカートで現れました。細くて長い脚はまるでツイッギーのよう。最初はモデルさんかと思ったほど。日々、私服にも気を遣っています。
 そして宿舎の朝食では、バイキングで明太子の大盛りを笑顔で完食。プロとして結果を出しながら、競技生活を楽しみ、それを発信しています。来月のクイーンズ駅伝では東京オリンピックマラソン代表選手と直接対決。視線の先には新国立競技場が見えていることでしょう。

(共同通信/2020年10月19日配信)

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