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おしゃべり散歩道2020

時代とともに五輪も変化

 国際オリンピック委員会のオンライン理事会で、パリ五輪の実施種目にブレイクダンスが加わることが決定。来年の東京五輪に加わったサーフィンやスケートボード、スポーツクライミングは引き続きの採用が決まりました。エンターテイメント色を濃く感じるものですが、それが最近の傾向のようです。
 以前、IOCの会議に出席していた荒木田裕子さんが「IOCが種目に加えたいのは、若者に人気、都市型である、男女平等の3つの条件をクリアしているスポーツなんですよ」と話していたことを思い出します。
 オリンピック憲章にもある「男女平等」は誰もが納得するでしょう。来年の東京五輪にも卓球(ミックスダブルス)や陸上(4×400mリレー)、水泳(4×100メドレーリレー)などで男女混合のチーム競技が誕生しました。それはパラリンピックも同様です。
 「若者に人気」「都市型」という点はビジネス的な理由もあり、批判も少なくありません。ただ、オリンピック憲章にある「万人向けのスポーツの育成を促進する」という観点で考えてみると、その時代で人気のスポーツを採用することは当然だと思われます。若者のスポーツ離れを食い止めて多くの人にスポーツに親しんでもらうためです。日本では2008年の学習指導要領の改訂で、中学校 1・2年生に武道とダンスを必修科目に。ダンスにおいては先見の目があったといえるでしょう。
 各競技団体は今後益々普及に力を入れていくはず。そして観て楽しんでもらえる工夫も必要です。勝負の世界に生きてきた野村克也さんがラジオ番組でご一緒した時、「時代と年齢には勝てないよ」と言っていたことを思い出しました。

(共同通信/2020年12月14日配信)

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