大阪国際女子マラソンへ向け
12月20日、師走の岡山路で第39回山陽女子ロードレース大会が開催されました。注目は東京五輪女子マラソン日本代表の前田穂南さんと一山麻緒さんです。私は先頭集団の様子を移動中継車の中から解説。選手を間近で見るという贅沢を味わいながら、ん?2人の動きに元気がないなと感じました。
レースは大きな集団でゆっくりと始まり、2キロ過ぎに一山さんがペースを上げ、それに付いていったのはアフリカ出身の実業団選手2人。しかし一山さんは15qで脱落し、優勝争いに絡むことが出来ませんでした。一山さんは2週間前、日本選手権1万mで新谷仁美さんに次ぐ2位に。31分11秒56という日本歴代6位の記録を達成しました。その疲れが残っているはずですし、1月の大阪国際女子マラソンに向けて走り込みのまっただ中。理由がはっきりしています。
そして前田さん、いつもは積極的にレースを作るのに、先頭の3人に付くことなく第2集団でレースを進めました。前日に武冨豊監督は「クイーンズ駅伝の走り(3区、区間8位)で課題を見つけました」と。後半、体幹にブレがあったようです。「例年だと米アルバカーキで高地合宿を行い、前田は朝に晩にトレイル(未舗装の山道)を走っていましたからね」と。前田さんはトレイルが好きで、それによって体幹が鍛えられました。しかし、コロナ禍で海外へ行けなくなり、その分、今は国内で走り込みと並行してハードルを使っての練習や様々な補強運動を行っています。そして前田さんも大阪国際に向けて厳しいトレーニングの最中。新型コロナウイルスの影響は色々な所に出ていますが、上手に対応しチャレンジしながら五輪にまっしぐらです。
(共同通信/2020年12月21日配信)
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