地域挙げてのおもてなし
雪を被った日光連山や男体山に見守られるように、第2回日光いろは坂女子駅伝が11月30日に開催されました。第一いろは坂を登る距離23.4km、標高差875mのコースは他に類を見ない厳しいもの。チャレンジした大学は、大学女子駅伝強豪校の大東文化大学や東京農業大学、関西地区からも関西外語大学や大阪芸術大学など18チームの参加がありました。
各チームの監督は、この大会を1年生の基礎づくりととらえているようです。1年生のエントリーが多く、道端に雪が積もった上り坂を必死の形相で上る姿は苦行のようでした。優勝したのは大東文化大。アンカーでゴールテープを切った元廣由美さんは「走っている時はキツイけど、それ以外は全部楽しい大会です」と満面の笑み。選手達は大会の前後に温泉でゆっくり出来、まちの人との触れ合いの中、至る所で心がほっこりするようです。
私も大会前日に取材でお邪魔しましたが、地域を挙げての応援に感動しました。東武日光駅で選手達が専用列車から降りると、今市第三小学校の吹奏楽部の演奏が始まったのです。その演奏に選手達は足を止めて手拍子を。駅長の加藤哲也さんは「姪っ子が吹奏楽部にいるので学校にお願いしたら快く引き受けてくれました」と話し、寒い中で一生懸命に演奏する子ども達をみて涙ぐんでいました。列車の中でもお温かい飲み物のサービスがあったそうです。
そして大会後、ゴール近くではおにぎりやとん汁、焼きそば、日光牛などがたくさん振る舞われました。色んな組合が協力してのおもてなしです。「みんな細いのに普通の3倍位食べるからさ、びっくりするよ」と旅館組合の方も嬉しそう。選手に大人気の大会です。
(共同通信/2015年12月7日配信)
|