山の神、活躍期待
年越しは毎年群馬県前橋市。元日のニューイヤー駅伝でゲスト解説をするからです。女子の実業団駅伝(42.195km)と比べて男子は距離が長く、7区間・100kmで争われますが、実力が拮抗していて毎年接戦。2016年は優勝したトヨタ自動車と2位のコニカミノルタとの差は21秒でした。過去には2009年に上位3チームが1秒差でゴールし、2011年も1秒差での決着。100km走って1秒差という僅差に興奮します。
そして前年に箱根駅伝で活躍した新人選手たちが、どんな走りをするかも楽しみの一つ。今回は箱根の5区山登りで活躍した、青山学院大の神野大地さん注目しています。三代目山の神の神野さんは、中学生の頃から宇賀地強さん(当時、駒澤大学)に憧れていたこともあり、宇賀地さんのいるコニカミノルタに入社。トラックやロードでも実力を発揮し、ルーキーながら主要区間での出場が期待されます。
11月の全日本大学駅伝の中継で神野さんにお会いしました。その時、「山の神と言われて嬉しかったのですが、それは過去のこと。今は東京五輪のマラソンでメダルを獲ることが目標です」と話す目の輝きが印象的でした。そんな神野さんの一番の応援団は母方の祖母の磯部安江さん。名古屋で鶏肉の卸店を営んでいます。「たまに送ってくれるつくねが美味しいんですよ」と神野さん。何でも大地という名前はソウル五輪で金メダルに輝いた鈴木大地さん(現スポーツ庁長官)にちなんで付けられたそうです。
神野さんは11月27日に開催された熊本甲佐10マイル(約16.1km)ロードレースでは元祖山の神の今井正人さんに競り勝ちました。さぁ、元日はどんな走りをしてくれるでしょう。
(共同通信/2016年12月19日配信)
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