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おしゃべり散歩道2002

男子長距離界 再生へ−指導への情熱でいっぱい

 年々、華やかになる女子マラソン界ですが、それと比べられて気の毒なのが男子の方です。先日、どうしたら男子長距離界が明るくなるの? という話題でランナーの仲間たちとひとしきり盛り上がりました。
 そのメンバーの中には、川嶋伸次さん(シドニー五輪マラソン代表で現在は東洋大学陸上部監督)や只隈伸也さん(大東文化大学陸上部監督、大東文化大学時代箱根駅伝に4年連続出場)の顔も。
 「正月の箱根駅伝に実業団のトップチームを招いて勝負させるっていうのはどう?」と、とっぴな発想でその場をわかせたのは只隈さんです。
 彼が言うには、元日に行われている「ニューイヤーズ駅伝」(全日本実業団駅伝)を12月に変える。実業団の優勝チームと学生が、箱根駅伝で戦ってはどうかとのこと。
 「実業団の選手たちが、どれほど強いかを知ることはいいこと。ラグビーのように学生がこてんぱんにやられることで強化になるよ」と話すのです。
 確かに、男子マラソンの低迷理由の一つに、箱根駅伝の過熱が挙がっていることを考えればいい案だ!と思いました。つまり、箱根で最高の走りをすることを最終目標にしてしまう選手が多いのです。だから無理をしてしまう。過去7年間の箱根で途中棄権が5回という事実がそれを物語っていると思います。
 「やはり、将来はマラソンで世界を、という意識を学生の頃から育てないとね。という僕も日体大時代、オリンピックなんて全然、頭になかったんだけど」と、笑わせたのは川嶋さんです。
 若い監督さんたちは指導への情熱でいっぱいです。大学を余裕をもって卒業させる大切さ。また学生時代に「世界を目指す目」を持つことの大切さを知りました。男子長距離界に明るい春の花が咲きそうな雰囲気です。

(共同通信/2002年2月15日配信)

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