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おしゃべり散歩道2002

明るい力をいただいた 福士加代子さん

 記録や優勝よりも“笑顔”が印象に残りました。2月24日、横浜で行われた横浜国際女子駅伝。大会最高記録で優勝した日本ナショナルチームの6人は、インタビューでも底抜けに明るかった!
 皆、日ごろの鍛錬の成果をレースという舞台で出し切ることを心から楽しんでいる様子。こんなおおらかな選手たちが活躍する時代になったんだなあと、つくづく思いました。
 2区の10キロを区間最高で走った福士加代子さん(19歳、ワコール、青森・五所川原工高出)は、今やトラックレースでは負け知らず、飛ぶ鳥を落とす勢いです。この日はトレードマークの「ちょんまげ」を取っての初レースでしたが、彼女には接すれば接するほど大物感が漂ってきます。
 福士さんは、ひょうひょうとしていて、質問に答える言葉が短くて面白い! 例えば、大会前日の取材ではこんな感じでした。
 −なぜ走るの?
「ゴールした後のさっぱり感がたまりません」
 −レースが終わったら何をしたい?
「清水寺(京都)でお花見がしたい」
 −渋井陽子さん(三井住友海上、初マラソン世界最高記録保持者)について
「いい人、いい声、いい女」
 ところで、この日わたしは福士さんからいい言葉をもらいました。それは今、彼女が大切にしている気持ちで「一日一心(新)」。
 2004年アテネ五輪へ向け、一番近いところにいるだけに周りからの期待は走るたびに大きくなります。でも「一日一日が勝負。あすのことは考えたくないんです」と彼女。
 とにかく、きょう一日を精いっぱい頑張る! そして「一日1秒ずつ縮めていくつもり」と。だから「一心」の「心」は「新」でもあるそうです。話を聞いているわたしの方が、明るい力をいただきました。

(共同通信/2002年3月1日配信)

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