東京夢舞いマラソン−障害者含め数万人参加
新しいタイプのマラソン大会が誕生しそうです。その名は「東京夢舞いマラソン」。先日、実現へ向けた第1回のシンポジウムが開かれました。
従来の大会と比べ、どこが違うのか? 市民が中心となって立ち上げていこうとすること。そして、東京を象徴する目抜き通りの銀座を、障害者を含めた数万人のランナーが走り抜ける−といった点で、これが夢なのです。
これまでも、陸連主導の大会では「東京国際マラソン」などがありますが、制限時間が厳しく、一握りのランナーしか走れません。また、コースの中に「銀座」はなく、まだまだ銀座はランナーにとって「あこがれの道」なのです。
この大会の発案者は、大島幸雄さん。毎年のように国内外のマラソン大会に出場している大島さんは「ニューヨークやロンドン、パリ、ベルリンなど多くの大都市にはその都市を象徴する大会があるのに、“マラソン日本”にはない。寂しいことです」と言われます。
確かにわたしも、ことしのロンドン・マラソンを目の当たりにして「これはまさにお祭りマラソンだ」と思いました。街の公道がトップアスリートのみならず、8時間もの間「市民のための道」になるのです。
このロンドン・マラソンでは、スタート時は恋人同士だったのに、ゴールしたら夫婦になっていたランナーが! 道中、2人は市役所に立ち寄って婚姻届を出し、教会に寄って式を挙げてゴールしたのです。
ところで、この日のシンポジウムのパネリストには、浅草おかみさん会の冨永照子理事長もいました。冨永さんは「浅草はお祭りの本場。日ごろから警察とのコミュニケーションを大切にしています。また、お祭りにはギャラリーも必要で、それは市民の協力があって増えるものなのです」と話していました。
これから実現へ向けて、いろいろ障害はあると思います。でも、実現すれば東京は、日本はもっと元気になると思います。
(共同通信/2002年7月12日配信)
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