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おしゃべり散歩道2005

串良の子供たち

 鹿児島県大隈半島のほぼ中央に位置する串良町は、うなぎの養殖日本一の町です。4月3日、私はこの町で開かれた「第20回くしら桜まつりジョギング大会」にゲストとしてお招きを受けました。コースの東西南北1.2キロに延びた桜並木。開き始めたソメイヨシノと、その向こうに見える菜の花畑のやさしい風景がランナーたちを喜ばせてくれました。
 それにしても串良町の子供たちの何と元気だったこと。私が参加した2.5キロの部は、小学高学年、中学生が中心でした。「はみ出しとるわ!」スタートラインからはみ出したサッカー少年が隣の剣道少年から注意を受けると、「剣道には負けられん」と。聞けば地域のクラブで活動するサッカー、野球、陸上、バレーボールなどなど勢ぞろい。チームで参加しているとのことです。
 幼児、小学低学年が保護者とともに参加するファミリーマラソン(1キロ)では、2歳の幼児が小さな小さな歩幅でお父さんと笑顔でゴールインする姿がありました。また、歩き始めて間もない幼児も歩いたり母親におんぶされたりしながら、しっかりゴールインするのでした。
 こんな活発でほほ笑ましい景色の中で思い出したのは、2月に国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれた「子どもの体力向上実践事業全国連絡会議」です。その時の基調講演で東京大学大学院の小林寛道教授が「幼児のころから体をアクティブに動かす習慣は、体力を養うだけでなく、”脳力”をはぐくむことにつながります」と話されたのです。
 幼児のころからスポーツに親しむことで、脳の「運動野」のみならず、脳の司令塔ともいわれる「前頭前野」を活性化することになるようです。串良の闊達(かったつ)な子供たちに、あらためてスポーツの価値を思い出させてもらいました。

(共同通信/2005年4月6日配信)

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