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おしゃべり散歩道2005

心の強さ勝利の秘策に

 学力世界一の国“フィンランド”。経済協力開発機構(OECD)が昨年末に発表した国際学習到達度調査(PISA)で総合一位に輝きました。サンタクロースの国としても知られるフィンランドで間もなく熱い戦いが繰り広げられようとしています。
 8月6日から首都ヘルシンキで世界陸上選手権が行われます。注目の女子マラソンへは日本から5人の代表選手が参加。久しぶりの涼しい中でのレースで、世界記録保持者のラドクリフさんやヌデレバさんが引っ張れば、高速レースになるかもしれません。
 日本代表の一人、小アまりさん(ノーリツ)は2001年世界陸上エドモントン大会へは女子10000mで出場(19位)しました。今度はマラソン。とにかく明るい華やぎのある選手です。彼女が現れるとその場の空気が花が咲いたように彩られる感じなのです。電話で話しを聞いた時は、北海道東部・別海町で合宿中でした。アップダウンのコースを走り込んでいるとのこと。なぜなら、6月上旬にへルシンキのコースを下見した時、小さなアップダウンの連続に驚いたからです。道が狭いうえに急な曲がり角も多い。路面も悪く、そのせいでコースを試走中、足の甲のあたりを痛めてしまいました。それでも彼女は「6月は最悪でしたが、これ以上悪くはなりません。8月は絶好調です」と楽しそうに話すのです。
 小アさんは別海町でやはり合宿中の黄さん(バルセロナ五輪・男子マラソン金メダリスト)に会いに行きました。黄さんは今、選手を指導中です。いっしょに食事をしながら、彼女は「マラソンで大事なことは何ですか」と尋ねました。すると黄さんは「何回マラソンを走ったとか、何回目のマラソンで優勝したかということよりも、僕は最終的には“心が強かったら勝てる”と思う」と答えました。ヘルシンキ直前、この言葉に小アさんはさらに笑顔を大きくしました。

(共同通信/2005年7月27日配信)

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