増田明美のホームページ ビデオメッセージへ各種お問い合わせへトップページへ

TOP > おしゃべり散歩道 > 2005年目次 > エッセイ第45回
プロフィール
おしゃべり散歩道
イベント情報
出演予定
執筆活動
リンク集

おしゃべり散歩道2005

五輪目指す少女の足音

 いで湯と果物の里・福島で11月13日、第21回東日本女子駅伝が開催されました。18都道県から選ばれた中学、高校、大学、実業団の選手達が“ふるさとのため”に走る姿、友情のタスキ渡しは清々しいものでした。
 埼玉が9年振り3度目の優勝。2位の東京はアンカーの渋井陽子さんが1分47秒あった差を20秒差まで追い上げましたが届かず。渋井さんはレース前「食事中も中学生や高校生がチラチラこっちを見るので緊張しちゃいましたよ」と話していましたが、中学生たちにとっては、憧れの先輩と寝食共にしてチームで大会に臨めるというのはかけがえのない経験となったことでしょう。
 さて、その中学、高校生ですが、最近の特徴は小・中学生の時にバスケットボールを経験している選手が非常に多いこと。各県チームの監督にそのことを尋ねると「バスケットはいろんな動きをするから体がバランスよく発達するんですよ」と話されました。
また長身の選手も多くなっています。優勝チーム埼玉の8区を走った櫻井夏美さん(坂戸中2年)は168cmで将来の夢は女優さん。快活な楽しい女の子でした。また7区を走った神奈川チームの田中千裕さん(白鵬女子高3年)は170cmで中学時代はバスケットボールを経験。ニックネームは女子マラソン世界記録保持者のラドクリフさん(イギリス・身長173cm)にちなんで“ラド”。
 数年前だったら長身で身体能力の高い選手達はバスケットボールやバレーボール選手を目指しました。それが女子マラソン五輪4大会連続のメダル。また高橋尚子さん、野口みずきさん、渋井陽子さんのような個性豊かな選手達の登場により、長距離ランナーを目指す少女が少しずつ増えてきているように思えます。晩秋の信夫路に明日の五輪の目指す少女たちの足音が響きました。

(共同通信/2005年11月14日配信)

次のエッセイを読む 【2005年の総合目次へ】 前のエッセイを読む


Copyright (C)2001-2021 Kiwaki-Office. All Rights Reserved.
サイト内の画像・文章等の転載・二次利用を禁じます。