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おしゃべり散歩道2006

予防にはウォーキング

 朝顔状の入道雲が空いっぱいに広がった5月の日。「糖尿病の予防と治療を目指して」というテーマで日本糖尿病協会理事長の清野裕さんと企画委員長の南條輝志男さんとお話しました。「増田さんの周りには糖尿病の方がいますか」と尋ねられたので、私が「いません」と答えると、清野さんは驚かれ「やはり皆さん走っているからでしょうかね。日本は糖尿病患者が740万人で予備軍が880万人。6〜7人に1人なんですよ」と。私はその数の多さにびっくりしました。そして、糖尿病の予防と治療にウォーキングが効果的であることを教えていただいたのです。そもそも日本人は、糖尿病の定義とされる血糖値、その血糖値の上昇を抑えるインスリンの分泌が欧米人に比べ少ないそうです。その上、食生活では動物性脂肪の摂取が増え、しかも運動不足。糖尿病が増えている原因がはっきりしているのです。食生活の改善とともに、運動量を増やすことが求められています。
 「増田さんがウォーキングやジョギングをもっと広めてくれれば、糖尿病の予防・治療ができ、国家財政を救うんですよ」と清野さん。私は今年33年目になるホノルルマラソンも心臓病の専門医のジャック・●●さんが、心臓病の予防・治療のために、ゆっくりとジョギングすることがいいというスローガンのもと始まった、ということをお話したのです。横で南條さんは、ばつが悪そうに「私も歩かなきゃと思いつつ、何もしていないんです」。
 この日、南條さんは糖尿病の診断は血糖値だけでなくグリコヘモグロビン(HbA1c)の数値のほうが正確な基準になることを教えてくれました。
 そういえば最近私は、マラソン大会よりもウォーキングイベントに招かれることが多いは、こういう現状からなのでしょうか。隔週で行く大阪芸術大学の授業でも、学校の周りの太子町には聖徳太子がランドセルを背負って看板が道案内する、ウォーキングコースがたくさん出来ています。近鉄奈良線の駅にも“てくてくMAP”が貼られ、吉野や金剛山への道案内をしてくれるのです。

(共同通信/2006年5月15日配信)

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