「世界にかける夢」語る
東京都西部に位置する青梅市。青梅マラソンでその名を知られる場所で先日「青梅市国際理解講座開設20周年講演会」が開かれました。普段は子ども達に英会話や外国の文化を学んでもらう講座。この日は「世界にかける夢」というテーマで、スポーツを通しての国際舞台の話。パネラーは千葉真子さん(アトランタ五輪女子10000m代表)、高橋千恵美さん(シドニー五輪女子10000m代表)、泉田利治さん(日本ケミコン女子陸上部監督)で、私は司会進行役でステージに上がりました。満席の会場に「青梅だけにお客さんも“多め”ですね」と陸上界で笑いの達人と言われる泉田さんが話すと、会場は一気に和みました。
千葉さんは2週間前に北海道マラソンで競技生活にピリオドを打ったばかり。アトランタ五輪を振り返り「五輪は魔物が住むと先輩から言われ、イメージが膨らみ過ぎていました。でも競技場にいったら、なーんだ、いつもと一緒じゃーん、と思いました」明るい声の千葉さんの言葉に、前方に並ぶ子ども達の目はキラキラ。
子ども達からもたくさん質問がでました。「五輪に出るためにはどうしたらいいですか?」という問いに、「まずはそのスポーツを好きになること。好きという気持ちがあれば練習も楽しくなってくるから、あとはいっぱい練習をして自信をつけてね」と高橋さん。皆、大きく頷いていました。
そして、監督から見て世界で活躍できる選手に必要なものは何でしょうかと私が尋ねると、「素直になると県大会で勝てる。謙虚になると東日本大会で勝てる。感謝の気持ちが大きくなれば日本で勝てる。献身の気持ちがあれば世界で勝てる」と泉田さん。
子どもはちょっとしたきっかけで自分の目標が生まれるもの。この日話を聴きに来てくれた子ども達はきっと何かを感じ取ってくれたに違いありません。
(共同通信/2006年9月11日配信)
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