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おしゃべり散歩道2010

地下足袋や安全靴で駅伝

 西から桜の便りが届き始めました。最近目にしたニュースでは120年の歴史を持つ白熱電球の生産ラインが止まり、消費電力の少ないLED電球に代わるとのこと。企業でも家庭でも環境に対する意識が高まっています。屋外スポーツのマラソンは地球環境の変化を直接受けるので、私も無関心ではいられません。ここ数年、作家の神津カンナさんに教えて頂きながら電気エネルギーのことを勉強しています。
 先日は、3号機を建設中の島根原子力発電所を見学に。建設所長の柴田さんにご案内頂き、完成後は見ることの出来ない原子炉本体の底までも見せて頂き、原子炉を包むコンクリートの壁の厚さが2mもあることに驚きました。
 建設現場では作業中の皆さんが「お疲れ様」「ご安全に」と声を掛け合っています。まるで私が取材している駅伝チームの現場のようだと感じました。強いチームほどよい雰囲気の中で厳しい練習に向かっていきます。また、マラソンと似ているなと思ったのは、遠い目標に向かい、今日やるべきことがはっきりとしていること。島根原子力発電所3号機では、平成23年12月からの稼働に向かい、6年がかりで建設を進めています。毎朝8時のラジオ体操から始まり、各班に分かれミーティングをし、5時まで作業。一日一日を地道に着実に積み上げているのでした。
 この日は職場対抗駅伝大会。集まった人達の中には地下足袋や安全靴の人も。「このほうが慣れているんですよ」と。私は開会式で挨拶を頼まれ「何よりも、ご安全に!」と言うと拍手が起こりました。「駅伝はチームワークを育み、部署間のコミュニケーションも活発にします。」と柴田さん。スポーツの持つ力を最大限に活用している現場に心打たれました。

(共同通信/2010年3月19日配信)

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