韓国でも歩け、走れ
新羅千年の古都・慶州に。4月3日、第19回慶州さくらマラソン&ウォークが開催され、私は広報親善大使として参加しました。世界遺産の街には約20万本の桜が植えられていますが、今年は気温が低く一輪の桜も咲いていません。参加した皆さんと「桜の木マラソン」だね、と言って笑いました。でも淡いピンクに膨らんだ大きな蕾の下を1万3千人強のランナーが走ると、その元気と蕾が開こうとするパワーが重なり感動的でした。ところで、韓国と日本というとバンクーバー五輪女子フィギュアスケートのキム・ヨナさんと浅田真央さんを思い出します。2人は良きライバルであり、良き友人で、お互いに高め合いながら世界の頂点に上り詰めたのです。慶州で韓国観光公社の方々との食事会でもこの話題に花が咲き、「昨年、手をつないで2人で買い物をする番組が韓国で放送されたんですよ」と教えて頂きました。私がキム・ヨナさんは日本でも人気があることを話すと、「真央さんは韓国でも大人気です」と。スポーツから生まれる友好的な会話が嬉しかったです。
そして大会翌日(日曜日)は観光で釜山へ。夕方ホテルから釜山港へ向かうため地下鉄に乗ると、リュックを背負いトレッキングシューズを履いた熟年夫婦や若者のグループが大勢いて驚きました。同行していた韓国の友人に話を聞くと、韓国は今、山登りやハイキングがブームだそうです。「ゴルフをしたいけど、お金がかかり過ぎるからかも」と。九州の山も韓国のテレビで紹介され、ツアーも人気があるとのこと。日本でも健康志向の高まりがウォーキングやランニング人口の増加に表れていますが、韓国でも心身の豊かさを求めてスポーツをする人が増えているようです。
(共同通信/2010年4月5日配信)
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