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おしゃべり散歩道2010

家森さんを見習って

 カスピ海ヨーグルトを日本に広められた家森幸男さん(京都大学名誉教授・兵庫県健康財団会長)は私が尊敬する方の一人です。健康関連のシンポジウムで何度かご一緒していますが、お話が大変面白くてお人柄がチャーミング。また、世界中に足を運ばれ、現地調査に基づいた発表をされるので、私は自分自身のスポーツ取材においても、材を集めることの大切さとフットワークの軽さをお手本にしています。昨年、家森さんは、都市型の健康という点で香港に着目。世界で男女共に平均寿命が第2位の香港を食、体、心の面から現地取材されました。
 そして今回、神戸で開催された「健康ひょうご21県民運動推進会議」のフォーラムでは、今秋に欧州で開かれる学会で発表予定の研究成果の一部を、特別に話して下さったのです。それはメタボの予防にマグネシウムが重要な役割を果たし、その理想が縄文時代の食文化にあるというもの。食物の栽培が未開発だった縄文時代、海の幸である海藻や貝類、そして木の実などのナッツ類が多く食べられていましたが、それらはマグネシウムを豊富に含んでいるそうです。「人間の遺伝子にマッチしているのですよ」と家森さんはにっこり。
 また、このフォーラムでは武庫川女子大付属高校の発表も。小学生をビッフェ形式の食堂に招待し、自由に食事をして貰ったところ、好きなものしか食べなかったそうです。それが4回の食育プログラムで食事の大切さを伝えると、後日のブッフェでは、自らバランス良く料理をお皿に盛っていたと。高校生も家森さんを見習って現場を大事にしています。細やかな取材は聴衆に匂いや表情をイメージさせる説得力のあるものだと感じました。

(共同通信/2010年6月14日配信)

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