いかに運動させるか
関東地方は紫陽花もぐったりするほどの暑さとなった父の日。午前中に都内をジョギング中、小さな公園で父子がサッカーボールを蹴る姿に出会いました。汗をかいたTシャツが背中に張り付いた4歳位の子どもの笑顔が眩しく、その前夜のサッカーW杯日本代表チームの活躍を思い出しました。
午後、子どもの身体活動について考える座談会に出席。早稲田大学教授の竹中晃二さんが仲間と5年間の研究結果を「アクティブ・チャイルド60min.」という本にまとめられました。座談会は1日60分体を動かすことへ子ども達を導くという本の内容に沿ったもの。「何事に対しても子どもが活発に取り組めるよう、スポーツはその切り口としてある」と竹中さんは話します。小学校教諭の水村さんや養護教諭の小松さん、スポーツ科学研究者の森丘さんと私は積極的に意見を交わしました。「子ども達は疲れていますね。1限目から机に突っ伏している児童も」と小松さん。水村さんは大きく頷き、子ども達の忙しい現状を紹介。
ではどうしたら運動しない子どもをする方向へ導けるのか?「強制でなく、自然に仕向けることが必要です」と森丘さん。ご自身が毎朝長女を保育園に送っていく時、800mの道のりを手をつないでマンホールを飛び越えたり、次の電信柱まで走ろうと駆け出したりしている話を。そして部活動等では「コーチは教えているのに、選手が教えて貰っていると感じないのが理想的」と。私は陸上競技で活躍するチームを思い出しました。強いチームの監督は細かく管理しません。牧場主のように自由にさせていながらも、しっかり俯瞰しているのです。「牧場主ね、いい言葉を頂きました」と竹中さんは笑いました。
(共同通信/2010年6月21日配信)
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