マーラさんの活動
サッカーW杯真っ最中、菅平合宿を終えたばかりのマーラ・ヤマウチさん御夫妻にお会いしました。合宿中には、現地で一緒になった天満屋陸上部の選手達に英会話レッスンをしたそうです。現在マーラさんは英国外務省を休職し、ご主人と二人三脚でロンドン五輪を目指しています。
W杯をテレビでよく観ているという御夫妻。「活躍する選手が子どもに与える影響は大きいですよね」とマーラさんは話します。実はご自身も陸上競技を始めたきっかけが1984年のロサンゼルス五輪をテレビで観たことだったそうです。「10歳の私はデイリー・トンプソンの活躍に興奮し、将来は五輪選手になりたいと思いました」とマーラさん。トンプソンさんは十種競技の選手で、モスクワ、ロサンゼルスと2大会連続金メダルを獲得。ロス五輪から帰国したトンプソンさんのサイン会があることを知ったマーラさんは、胸躍らせて会場へ。長い列に並び、ようやく対面すると「は〜い、坊や!」と言われたそうです。「それでマーラはトンプソンさんが嫌いになっちゃったんだよね」と御主人の成俊さんが笑って話すと、「ちょっとショックだっただけよ」とマーラさん。
そんな彼女は今、日本各地のマラソン大会に出場する際、一日余裕を持って現地入りし、近くの学校を訪問しています。10歳前後の小学校4年生や5年生に陸上競技を好きになって貰う為に20分間お話をし、その後、皆と一緒にグラウンドを走っているのです。「せっかく日本で走らせて貰っているので、日本の子どもたちに何かを感じ取って貰えれば嬉しいです」とマーラさんは話します。現役のトップ選手とのこんな出会いの中で、金の卵の心に火が付くのでしょう。
(共同通信/2010年6月28日配信)
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