 全国回って金の卵発掘
天高い青空の下、東京都江東区で藤田ランニングアカデミー（ＦＲＡ）が開催されました。ＦＲＡは野口みずきさんらを育てた藤田信之さんが主宰するもの。全国を回り、小学高学年と中学生の中から未来のトップアスリートの卵たちを発掘し、世界に通ずる選手の育成を目指しています。翌日（10月4日）が藤田さんの70歳の誕生日とあり、私はお祝いも兼ねて会場へ。午前中はトークショーで、藤田さんと、教え子の野口みずきさん、真木和さん、田村育子さんの4人が登壇。「朝、ホテルから東京スカイツリーを見学に走って行きました」と野口さんは明るくはつらつと話し、ひと皮むけた印象を受けました。長かった故障を乗り越え、今は朝夕合わせ60km走る日もあるそうです。
「子どもをやる気にさせる為にはどうしたらいいですか」と会場から質問が。「子どもが興味を持つものに対して、届きそうで届かない、でも届く目標を常に与えてあげることですわ。それが精神的なトレーニングにもなる」と藤田さん。保護者の方々は目を輝かせて聞いていました。
さて、午後に夢の島競技場に行くと181名の小中学生が緊張の面持ちで並んでいました。8班に分かれ、班のリーダーとして野口さん、真木さん、田村さんも指導。準備運動の後は、はしご状の枠を使ったラダートレーニング。その後は片足跳びや反復横跳び、そして八百ｍ走。藤田さんはグラウンドに立ち続け、一人一人をじっくり観察します。どこを見ているのかと伺うと「アキレス腱がぴーんと発達しているかどうかや、腰のバネやね」と。さすがプロの目だと感じました。こんな地道な活動の中から野口みずきさんに続く金の卵が見出されるのでしょう。
（共同通信／2010年10月4日配信）
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