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おしゃべり散歩道2010

紅葉の中で豊かな交流

 毎年11月下旬、日本エアロビクスセンター(千葉県長生郡)は国際色豊かになります。23日に開催される国際千葉駅伝に向けて、アメリカ、ケニアを始め世界9カ国の選手達が、ここで3日前から調整を行うからです。海外の選手達からは深い森と紅葉の美しさが愛されていて、朝、選手達は木片が敷き詰められたコースを白い息を吐きながら楽しそうに走っています。ロシアから初来日したグレチシュニコワさん(26歳)はブロンド髪の美しい女性。「モスクワを出発する時に雪が降ったの。日本は暖かいわ」と。隣でロシアチーム監督メルニコフさんが「今夏は40℃を超える猛暑で森林火災も多かった。空気が悪くて選手達には気の毒だった」と。最近、海外のマラソンでロシア女子がトップに来ることが多い。そのことに触れると「殆んどの選手が30歳位までトラックでスピードを磨き、それがマラソンに生かされている」とメルニコフさん。
 オーストラリアのモットラムさん(30歳)は5000mの自己ベストが12分台で、世界陸上でも銅メダルに輝いている男子選手。昨年もこの大会で1区区間賞に輝きました。取材中、その部屋の装飾用の花が届くと、間髪入れずに「私のためにありがとう」と、大変ユーモラスな人。昨年同じ1区を走った上野裕一郎さん(ヱスビー食品)はレース後、モットラムさんに「まぁまぁ速いね」と言われたそうです。そんな2人も選手村のレストランで再会を喜び、親しそうに話していました。
 また日本女子選手同士も学生選抜は、普段ライバルの佛教大学と立命館大学の選手がチームメイトとして過ごし、お互いのいいところを吸収し合っています。素敵な交流を紅葉明かりが包んでいます。

(共同通信/2010年11月22日配信)

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