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おしゃべり散歩道2010

道路は文化を育てる場

 斎藤佑樹さんが8000人のファンの前でファイターズのユニフォーム姿を披露した翌日、私は札幌へ。市の道路課の主催により「これからの“みちづくり”と“みちづかい”」というテーマでフォーラムが開催されたのです。最初に話した私が「道と言えば、斎藤佑樹さんは今後の人生の道も美しく進みそうですね」というと、会場の空気は一気に朗らかに。いかに北海道の方々から斎藤さんが歓迎されているかが分かりました。
 札幌市土木部長の坂田和則さんのお話によると、札幌駅からススキノまでの間に7kmの地下道が来春完成するとのこと。雪の札幌では地下道の充実が歩行者の利便性につながるわけです。また坂田さんは自転車のための道路整備も市民から要望されていることを紹介。私はベルリンやウィーンをジョギング中に感じた安心感を思い出しました。歩道、自転車道、車道がはっきり分かれていたので、全くストレスを感じなかったのです。
 第二部は高野伸栄さん(北海道大学大学院准教授)のユーモアに富んだ進行のおかげで楽しいものに。「道づくりは散らかった部屋を片付けるように道を片付けることが大切ですよ」と北海道工業大学准教授の石田眞二さん。電柱や看板等を整理し景観をすっきりさせる必要性を。“みちづかい”についてJTBの阿部晃士さんが、「今まで道路は移動するためのものだったが、これからは皆で使う空間としての交流文化インフラになる」と。そういえば私が高校生の頃、原宿の歩行者天国から竹の子族が生まれました。また昨今は、秋葉原の歩行者天国からオタク文化が。道を歩行者に解放することで生まれる文化がありそうです。道々考えながら帰宅しました。

(共同通信/2010年12月13日配信)

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