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おしゃべり散歩道2010

情熱家ぞろいの指導者たち

 クリスマスの3日前、岡山でサンタクロースがプレゼントの袋を開けてくれたような豊かな時間を過ごしました。12月23日に開催された、第29回山陽女子ロードレースに集まったチームの監督達と食事をご一緒。大会の冠には岡山が生んだ名選手、人見絹枝さんと有森裕子さん二人の五輪メダリストの名前があり、集う顔ぶれも豪華です。実業団トップクラスのチームや大学駅伝を制した佛教大学や立命館大学も参加。有森裕子さん今年は都合により参加できず、その分、先の全日本実業団女子駅伝で優勝した地元・天満屋チームの武冨豊監督を中心に話は盛り上がりました。指導者の皆さんは情熱家ばかりで、日本の陸上長距離界のことを真剣に考えています。たまたま私は佛教大学の森川賢一監督と立命館大学の十倉みゆき監督との間に着席。二人はライバル関係で火花を散らしているかと思いきや、そうではなく、お互いが尊敬し合い京都を強くしようと高め合う様子が分かりました。「二校は選手同士もメールをやり取りしています」と森川さん。彼が京都府チームのコーチをしていた頃、監督の藤田信之さん(シスメックス顧問)から指導の多くを学んだそうです。十倉さんに何を大事に指導しているかを尋ねると「選手である前に人であるということ、女性であるということです」と。その言葉に森川さんは大きく頷いていました。「大学、高校にこういう指導者がいるから、学生時代に選手の土台が作られ、それを私たちが引き継ぐことができるのです」と武冨さんも満足顔。
 年末に岡山でこのような顔ぶれが集えることこそが、人見絹枝さんや有森裕子さんからのプレゼントなのだと思います。

(共同通信/2010年12月27日配信)

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