世界の走りを体感して
東北地方を桜前線が北上。桜の後にはリンゴが白い花を咲かせます。今夏に世界陸上競技選手権が開催される韓国のテグもリンゴの名産地。地元の方に伺うと「リンゴをたくさん食べるから美人が多いんですよ」と。日本も共通しているようです。
そのテグ大会に向けて、女子マラソンの最終選考会となったロンドンマラソン(中止になった名古屋国際の代替レース)が4月中旬に開催されました。日本から8名の選手が参加。ロンドンは過去に世界記録が誕生するなど高速レースが特徴です。今回も最初からアフリカやロシアの有力選手がゴール予想タイム2時間17分台のハイペースを展開。日本選手達はそれにはつかず、赤羽有紀子さんを中心に第2集団で。それでもゴール予想が2時間22分台と速く、殆どの選手が自己ベストを上回る未知のスピードに挑戦したのです。
赤羽さんは既に1月の大阪国際で優勝し、テグの有力候補となっていましたが、この大会を“レベルアップレース”と位置付けて出場。そんな彼女に追随したのが代表を狙う野尻あずささんや藤永佳子さんです。中盤、赤羽さんが抜け出し、第一集団から遅れてくる選手達を一人また一人と、まるで駅伝のような勢いで猛追し見事6位入賞。野尻さんと藤永さんも積極的に前を追い、自己ベストを大幅に更新しました。そして野尻さんが世界選手権の代表に決定。
2時間19分19秒という世界歴代4位の記録で優勝したのはケニアのケイタニーさん。日本選手達は世界の風に圧倒されながらも、その中で自分の戦い方を知ったのではないでしょうか。このような大会にどんどん参加し、世界に通用する走りを体感してい欲しいと思いました。
(共同通信/2011年4月25日配信)
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