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おしゃべり散歩道2011

楽しみな小出門下生2人

 道路のすぐ脇にも新芽明るいお茶畑が広がる静岡県袋井市で、5月3日静岡国際陸上が開催されました。会場のエコパスタジアム入り口には、大きなモニュメントに’02年日韓共催サッカーW杯の試合結果が刻まれ、熱く応援した時間が蘇りました。女子3000mで谷奈美さんが優勝。小出義雄さんが指導する選手ですが、谷さんは最初から最後まで一度も先頭を譲らない横綱相撲。「1500mもやるし、マラソンも走っちゃうから、谷は面白い選手だよ」と小出さんも満面の笑みでした。谷さんはまだ24歳。このスピードを活かしてじっくりとマラソン練習をさせたいそうです。
 そしてその夜、小出さんと食事をご一緒。お酒が進み、来年のロンドン五輪に話の花が咲きました。小出さんが何度も口にしたのが新谷仁美さんの名前。まるで高橋尚子さんが世に出る前を思わせます。新谷さんは興譲館高校時代、高校駅伝で3年連続区間賞を取るなど大スターでした。「でも高校チャンピオンで五輪メダリストっていなんだよね、僕はそれをやりたい」と小出さん。確かに高校時代に「やり過ぎてしまうんだよ」と小出さんが言うように、心と体が共に成長できなくなることがあります。新谷さんも昨年は走ることに疲れ、一時岡山の実家に帰っていました。しかし、競技を離れアルバイトをする中、初めて自分のやるべきことに気付いて小出さんの下へ戻ってきたのです。目の色が変わった新谷さん。今春国際クロスカントリーで2連勝するなど勢いが止まりません。「これから新谷は一皮もふた皮もむけるよ。楽しみだねぇ」。高橋さんが巣立った後、暫く元気のなかった小出さんがまた生き生きと若返ったようです。

(共同通信/2011年5月9日配信)

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