女子マラソン、チームニッポン
今年に入り世界の女子マラソンは更に高速化が進み、2時間20分を切る戦いが続いています。1月のドバイで上位3人が20分切り、4月のロッテルダムで18分台での優勝、ロンドンも2人が20分を切りました。「いつかこういう時代が来ると思っていた」と山下佐知子さん(日本代表の尾崎好美さんの監督・第一生命)は話します。尾崎さんが出場した昨年のテグ世界選手権では前半が超スローペースで30km過ぎからケニア勢がスパートしました。山下さんはそのことを振り返り「ロンドンではもう少し早くから仕掛ける選手が出るかもしれない」と。
五輪本番では様々なレース展開が予想されます。これまでと比べ、気温が低いことが予想され(ロンドンの8月の平均気温は24℃)、最初からある程度速いペースになるかもしれません。しかし、五輪は記録ではなく勝負のみなのでスローな展開も考えられます。日本選手に有利なのは前者です。
日本陸連女子マラソン部長の武冨豊さん(天満屋監督)を中心に、代表3人の合同合宿を6月に米・アリゾナ州で行うことを決めました。2時間20分を切る力があるアフリカやロシアの選手達にどのように挑んでいったらいいのか?日本チームとして出来る限りのことをしようとしています。素晴らしい試みだと思います。これまでの五輪では日本代表といえども3選手が皆ライバルで、手の内を明かすまいと一緒に練習することはありませんでした。重友梨佐さんの監督武冨さん、木崎良子さん(ダイハツ)の監督林清司さん、そして山下さんは普段は駅伝やマラソンでしのぎを削り合っています。壁を越え、英知を結集した“チームニッポン”での戦いが楽しみです。
(共同通信/2012年4月27日配信)
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