障害者選手と楽しい語らい
とりどりの梅の香漂う3月7日、東京お台場のホテルで「障がい者スポーツinfo2013」が開催されました。日本障害者スポーツ協会が普及・啓発ために開いたもの。会場には各地のスポーツ指導者やマスコミが約200人。事務局から今後のビジョンの説明があった後、ロンドンパラリンピックで活躍した木村敬一さん(競泳22歳)、中嶋茜さん(ゴールボール22歳)、上地結衣さん(車いすテニス)が登場し、私はトークショーの進行役を務めました。木村さんは全盲の選手でロンドンでは旗手を務めた日本代表チームのまとめ役。大変面白い人です。メダルを狙っていた最初の50m自由形で固くなり力を発揮できず「やけくそになり選手村のハンバーガーを5〜6個食べまくりましたよ」と。会場から大きな笑いが。でもその後の100m平泳ぎで銀メダル。100mバタフライでも銅メダルに輝いたのです。「以前は日本代表で遠征しても自費でしたが、今は負担がありません」と中嶋さん。2年前にスポーツ基本法ができて環境は随分良くなったそうです。上地さんはまだ18歳。でもコメントがしっかりしているので会場は感心する空気に包まれました。車いすテニスの金メダリスト国枝慎吾さんから妹のように可愛がられ、国枝さん同様、一人で世界を転戦しています。
会場から「指導者からの言葉で、力になったものは?」という質問が。それに中嶋さんは「“それ”だけの人間になるな」と。コーチの言葉というよりは「共感力に影響を受けた」と上地さん。木村さんはロンドンで決勝に臨む際、「大舞台はショーなんだ。世界最高の8人で観客を沸かせてこい」と言われリラックスできたと。素晴らしい時間でした。
(共同通信/2013年3月11日配信)
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