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おしゃべり散歩道2013

地域を豊かにする活動

 蝉時雨に日本の夏を感じる朝、近くの公園ではラジオ体操が行われています。大人に混じって子ども達が元気に体を動かす姿は健やかそのもの。
 各地で健やかな取り組みが行われる中、栃木県小山市にある白鷗大学での「小山市土曜マラソン大会」は面白いです。毎月第2、第4土曜日の朝7時半から、白鷗大のグランドで行う長距離走の練習会。参加料は保険料の百円だけで、地域の方々が気軽に参加でき、陸上部の皆さんがタイムを計ったり給水を渡したりしてくれるのです。
 先日、200回記念大会に伺い、私も走ってきました。園児から大人は60歳以上まで約150人が参加。外周り500mを園児は1周、小学生低学年は2周、高学年は3周、中高生は6周と年齢に応じて距離設定がしてあります。大人の5kmも含めそれぞれのレースが競争ではなく、前回の自分の記録にチャレンジするので、周回遅れになっても全然気にしません。でも、沢山の人から「○○ちゃん、がんばれ」「もっと腕振って」なんて声援を受け、見られている緊張感もあるので皆、張り切ります。私も視線を気にしながら胸を張って走ったら、3キロで久々にいい記録が出ました。
 9年前にこの大会を始めた竹島克己さん(白鷗大陸上部監督)は、「応援されるばかりでなく、何か地域貢献が出来ないかと思いました」と。最初は小中学校にポスターを貼って呼びかけ、参加した人の口コミでどんどん増えていったそうです。そして今は、地域の人々に喜ばれるスポーツの拠点に。「可愛い女子学生が一周ずつタイムよんでくれるから頑張れるよ」と61歳の男性はにっこり。大学が地域を豊かにする素晴らしい活動だと思いました。

(共同通信/2013年8月5日配信)

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