増田明美のホームページ ビデオメッセージへ各種お問い合わせへトップページへ

TOP > おしゃべり散歩道 > 2013年目次 > エッセイ第35回
プロフィール
おしゃべり散歩道
イベント情報
出演予定
執筆活動
リンク集

おしゃべり散歩道2013

秋のスポーツ交友

 作家の角田光代さんの作品「対岸の彼女」に心打たれ、他の本も愛読していたらお会いするチャンスに恵まれました。同じ国際NGOの活動(発展途上国の女の子を支援する)で、色々お話するなか角田さんがマラソンを走ることを知ったのです。「自己ベストは2年前の那覇マラソンです。プライベートで悩みがあり、考え事をしていたらゴールしました」と角田さん。ゴール後にテレビ局からインタビューを受け「東京からです。楽しかったです」と答えたそうです。自然体で謙虚な方なので、インタビューアーも角田さんとは知らずにマイクを向けてしまったのでしょう。
 普段はジョギングしかしていないと言うので、私は「楽しい練習教えますよ」とお誘いし、先日都内で一緒に走りました。お互い夫同伴で、先ずは1周1.3kmのコースを2周。「夫は最高5kmしか走ったことがないんです」と角田さんは心配そう。そのご主人は長身で細身、猫背気味でピョコピョコ走るのでした。私はその走りを直そうと「スキップしましょう。背筋が伸びます!」と指導。すると彼は10mほどスキップ、それからまた走ると見違えるようないいフォームに変わったのです。「私よりセンスいいかも」と角田さんが言い、皆大笑いでした。
 それから軽いインターバル走を開始。500mを7割位の力で走って100mゆっくりジョギング。それを3回繰り返しました。うちの夫と角田さんが遅れ始め、一方のご主人は私を追い越しそうな勢いです。ゴールして、また大笑いでした。
 後日、彼が有名なミュージシャンであることを知りました。普通に会っていたら私は緊張したかもしれません。スポーツのコミュニケーションっていいですね。

(共同通信/2013年9月13日配信)

次のエッセイを読む 【2013年の総合目次へ】 前のエッセイを読む


Copyright (C)2001-2021 Kiwaki-Office. All Rights Reserved.
サイト内の画像・文章等の転載・二次利用を禁じます。