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おしゃべり散歩道2013

しあわせの村 温かく

 「しあわせの村」という名前の出口で高速道路を下りると、目の前に南欧風の村が広がり、そこは名前の通りの場所でした。季節が戻り、真夏日となった10月6日、神戸市北区のしあわせの村で「第24回こうべ福祉・健康フェア」が開催され、私はトークショーに出演。東京ドームが43個入るという広大な敷地には、陸上競技場やテニスコートなどのスポーツ施設、リハビリ専門病院、障がい者支援施設、特別養護老人ホーム、シルバーカレッジ、温泉施設などがあります。「なぜこんな充実した環境が出来上がったのですか?」と担当の方に伺うと「昭和46年、当時の神戸市長宮崎辰雄さんが高齢者、障がい者と健常者が一緒に集う場所を作ろうと基本構想をスタートさせて平成元年に開村したのです」と教えて下さいました。
 村の中では車椅子の人や白杖の人、ダウン症の人、自閉症の人達が健常者と共に楽しそうに歩いたり、芝生の広場で会話をしたり。それがごく自然に行われていて清々しかったです。またステージ上では子ども達が喜ぶ大道芸や戦隊ショーがあり、その後は介護体験をした人のトーク。「介護をする側が楽しんでないと介護を受ける側にも伝わりますわ」「介護の大変さを理解し合える仲間をどんどん増やすことが大事やね」と、トークが明るいのです。
 そのムードに私も乗り「陸上競技も練習はキツイですが、雰囲気は明るいですよ!」と。監督がダジャレを言って選手を笑わせている話しを披露。「監督、チームの調子はどうですか?と聞くと『お母さん』。マーマーですって」、皆大笑い。ノーマライゼーションを肌で感じる体験でした。こういう場所が日本中に広がればステキです。

(共同通信/2013年10月7日配信)

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