プロ意識高い努力家
玄海灘から吹く風にみぞれがちらついた1月19日、選抜女子駅伝北九州大会が開催されました。この大会は実業団と大学、高校のチームが同じコースで競い合います。全日本実業団女子駅伝を制したデンソー、3位の天満屋等、そして高校駅伝2、3、4位の興譲館、須磨学園、立命館宇治をはじめ顔ぶれは豪華でした。
黒路に黄色のユニフォームが風を切り、真っ先に小倉城のゴールに飛び込んできたのは九電工の加藤岬さんです。14年振りの優勝に地元は大盛り上がり。九電工は全日本でも過去最高の6位と頑張りましたが、その躍進の理由を藤野圭太監督(46歳)は「試合を減らし練習を増やして基礎的な走力をアップさせたのがよかったかな」と。起伏の激しいクロカンなどでの走り込みに時間を割き、一から体作りをしたそうです。
「また競技に対するチェピエゴの姿が皆のお手本になっていますね」と。この日も2区(5.9km)を区間タイ記録で走ったカプチッチ・セリー・チェピエゴさん(28歳・ケニア)は大変な努力家のようです。「競技を仕事だと思う意識が高いし、チームのためにという気持ちも人一倍強いんですよ」と藤野監督。大会前日、チェピエゴさんはケニアにいる7歳の息子(ブライアント君)と毎週末にパソコンのテレビ電話で話しをする時間がとても楽しみだと話ました。優しい母の表情を見せたかと思えば、「息子はパイロットになりたいと言っているの。だから私は一生懸命走ってお金を貯めなければ」と強い表情に。この後、大阪でハーフマラソンに出場したら2カ月間ケニアに帰れるそうです。「早く息子に会いたいよー」と。単身赴任でがんばる彼女の姿に学ぶことは多いです。
(共同通信/2014年1月20日配信)
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