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おしゃべり散歩道2014

再び金メダリストを

 薫風に鯉のぼりが泳ぐゴールデンウィーク、小出義雄さん(佐倉アスリート倶楽部代表)はいつものように千葉県佐倉市で選手の朝練習を見ていました。「酒を止めて今年8月で3年になるよ」と話す姿は体も引き締まり、一段と若々しくなった感じです。それまでは約50年間、毎日欠かさず5合呑んでいたそうです。お酒を止めたのは健康診断で肝機能の異常を指摘されたためですが、それ以上に「もう一度オリンピックの金メダリストを育てたいんだよ」と。これまで国政選挙への出馬要請が3回ありましたが、「かけっこが好きだから」と固辞しました。75歳になっても自分の志を貫く生き方に感動します。
 東京五輪まであと6年、小出さんは若い選手たちのことをどう見ているのでしょう。伺うと「器が小さい中学や高校の時期にいっぱい詰め込んじゃうと、将来マラソンでは伸びないね。器をでっかくしてからオリンピックを目指せる仕組みづくりが必要だよ」と現状を危惧しています。教え子で五輪メダリストの有森裕子さんも高橋尚子さんもジュニア時代は全くの無名選手。中学、高校時代に活躍した木村友香さん(19歳)は小出さんの所にきて1年間は器をより大きくするためにゆっくり休ませたそうです。高校駅伝などがテレビで注目され、学校側から結果を残すことを要求されれば、指導者は目先の勝利に拘らざるを得ません。例えばクラブチームで中学の頃から社会人まで一貫して指導できれば若い頃に無理をさせなくなります。ただ構造を変えるためには時間がかかるでしょう。「今出来ることを皆で真剣に考えなきゃいけない時だね」と小出さん。東京五輪を機会に様々な改革が求められています。

(共同通信/2014年5月2日配信)

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