東京五輪に期待の新星
東京五輪・パラリンピックが決定して1年が経ち、様々な競技で10代の活躍が目立ちます。日本に良い風がふいている感じ。陸上競技では高松望ムセンビさんが8月下旬に南京で行われたユースオリンピック女子3000mで優勝しました。アフリカや欧州の選手を置き去りにし、金メダルを獲得したのです。その柔らかで美しい走りは感動的でした。
高松さんは大阪薫英女学院高校の2年生ですが、高校の陸上部の練習に参加するのは週1〜2回。普段はお父さんのコーチの下で練習しています。お父さんはマラソンの自己ベストが2時間12分台で、長野マラソンを優勝したこともある名ランナー。成長期の娘の体に負担がかかり過ぎないようにと、全天候の競技場やアスファルトの道での練習は極力避け、芝生や土道などでの練習が中心です。
「彼女の探究心、向上心はすごいですよ!」と話すのは、一緒に練習したことのある常盤高校監督の高木雅一さん。大阪薫英は立命館宇治高校や常盤高校など、高校駅伝で上位にくる学校と年に数回合同合宿を行っています。練習の最後に必ず高松さんは自分よりもスピードがある選手に頼んで「流し」(ハイペースで短い距離を走る)を一緒にやっているそうです。また、ユースオリンピックでの優勝も7月のジュニアオリンピック(米・ユージーン)女子3000mでアメリカのケイン選手に負けたことが起爆剤に。彼女が800メートルを1分59秒台で走ることを知り、スピードを強化したのです。
高松さんは秋の長崎国体に出場する予定ですが、他の選手たちが世界チャンピオンの彼女にチャレンジしたいという意欲をみせています。6年後に向けていい動きが起こっています。
(共同通信/2014年9月8日配信)
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