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おしゃべり散歩道2014

紀子さまの体力に感動

 公園の秋桜が涼やかな風に揺れた9月8日、第60回記念全国盲女性研修大会が東京都港区のメルパルクホールで開催されました。私は大勢の方々の前で1時間お話を。秋篠宮紀子様が聞いて下さると伺い緊張しましたが、講演の前に少しお話させて頂く機会に恵まれて幸せでした。紀子様は、にこやかな優しい表情をされていて、体はアスリートのように引き締まっています。大学時代に学校の周り5キロをジョギングしていらしたそうで、「今は子どもと虫取りで走り回っています」と上品に笑われました。
 この日は東京五輪、パラリンピックの開催が決まってちょうど1年。講演では盲人マラソンの伴走した時のお話等を。講演終了後に大会関係者から色々な意見を伺うことが出来ました。「日本は点字ブロックや音の出る信号機など世界の主要都市に比べて進んでいます。でも問題は“人”なんです」と。「海外では白杖を持っていると、次々と声を掛けてくれる。日本では遠慮しているのか、滅多に声を掛けられません」と。障がい者にどうやって声を掛け、どうやって介助したらいいか、学校やイベントなど様々な場所でもっと啓蒙活動をする必要があると思いました。
 研究発表が始まるまでの休み時間、紀子様は2階の貴賓席からロビーに降りて来られ、視覚障がい者が作った封筒や、工芸品を購入されていました。私はご挨拶しようと思い少し離れた所で待機。すると発表が始まるブザーが鳴り、同時に紀子様は2階への階段を一つ飛ばしでタッタッタッと駆け上がったのです。その軽やかさとスピードにびっくり。ご挨拶は出来ませんでしたが、この体力で激務をこなしていらっしゃるんだと感動しました。  

(共同通信/2014年9月12日配信)

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