指導者の充実が急務
伊賀の忍者でも有名な三重県ですが、スポーツ推進活動も素早い動きをみせています。2018年に高校総体、2021年に国体と障がい者スポーツ大会が開催され、それに向けてスポーツで県民力をアップしようとする動きが活発なのです。
7月には「チームみえジュニア」が発足。そんな県の盛り上がりを肌で感じたのか、今夏の甲子園では三重高校が三重県勢として59年振りの決勝進出を。高校総体でもテニスで四日市工業、ソフトテニスで三重高校が優勝しました。
9月、津市で開かれた会議で「スポーツのいい風が吹いていますね」と発言すると、委員の皆さんも子ども達の活躍を喜んでいました。でもまだ現場では課題も多いようです。「部活動の現場は大変なんです。先生の情熱だけに頼っているから、先生に休みがありません」と。多くの先生が週末は試合や遠征にも付き合うので、本来の業務に支障が出てきている様子。「外部からの指導者を増やしてもらいたい」と話す委員が数名いました。
なでしこリーグの“伊賀FCくノ一”で活躍していた宮本ともみさんも先生だけではカバーできない点を問題視し「女子の選手には女子の指導者がいい。心の内を素直に話せるのも女性同士だから」と。こういう問題は三重県だけのことではないと思います。
東京五輪、パラリンピックに向けて選手強化費は増えますが、それだけでは2020年以降、また元に戻ってしまいます。ジュニア世代の部活動の現場の指導者を増やし、先生方も本来の仕事に集中できる環境を作ることが大切です。将来に向けて国を代表するような選手を育てるためにも、スポーツの裾野を広げるためにも、指導者の充実が急務でしょう。
(共同通信/2014年9月22日配信)
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