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おしゃべり散歩道2014

よきライバルの存在

 秋の駅伝シーズンの皮切りとなる実業団女子駅伝西日本大会が10月26日に開催されました。福岡県宗像市役所をスタートし、宗像大社や福津市の宮地嶽神社を巡る風光明媚なコース。ただ、来年から全日本実業団女子駅伝の予選会が西日本と東日本と中部の3つを一本化することから、最後の開催となったのです。
 有終の美を飾ったのは、地元九電工です。昨年は全日本でも6位入賞するなど躍進めざましく、この日も1区からトップに立ち、一度も先頭を譲ることなく逃げ切りました。しかしアンカー(6.495q)ではダイハツの木ア良子さんが1分差の4位で受けたたすきを、ゴールでは9秒差の2位まで追い上げる凄まじさ。私は移動中継車から解説しましたが、木アさんの腕振りと足の返しはまるで早送りの映像を観ているようで興奮しました。
 九電工の藤野圭太監督は1区の宮崎悠香さん(22歳)と3区の加藤岬さん(23歳)が共にチームの柱で、よいライバル関係にあることが最近の成長につながっていると話します。「普段は仲がいいですが、練習になるとお互い譲らずに強気ですよ」と藤野さん。
 ダイハツでも木アさんと前田彩里さんが同様のようです。前田さんは今年1月の大阪国際女子マラソンで初マラソンながら2時間26分台の好タイムで4位に入った期待の新人。練習でも強く、木アさんを脅かす存在のようです。林清司監督は「8000mのペース走(スピードを徐々に上げていく練習)で、前田が先頭を引っ張っていると、最後の200mは木アが30秒でぶっちぎるんですよ」と。火花を散らし合いながらの練習の迫力が伝わります。よきライバルの存在が個人を、チームを強くしています。  

(共同通信/2014年10月27日配信)

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