選手育てる意欲尽きず
“ランナーを称え色づく信夫山”。福島市内をジョギング中に詠んだ句です。11月9日に開催された第30回東日本女子駅伝には18都道県の選手たちが参加。ほっぺをリンゴ色に染めて走る中高生が可愛らしかったです。
優勝したのは前評判が高かった群馬県チーム。アンカーの竹地志帆さん(ヤマダ電機)はゴールテープを切った後「今年はゆるキャラグランプリでぐんまちゃんが1位になったので、私たちも1位になれて良かったです」と笑顔で話し、チームメイトと喜びを分かち合いました。
今回はスタジオで小出義雄さん(佐倉アスリート倶楽部代表)と共に解説。小出さんはどの選手に対してもいいところを褒め、応援歌のようでした。また、ランニングフォームに関して「もって生まれた骨格が違うから、自分らしくていいんですよ」と腕振りに癖があったり肩が揺れたりしていても「これがスピードを生むんです!」と。つまり教科書通りでなくてもいいということです。
前日に夕食をご一緒した時には「常識に捉われてはいけない」という話に終始しました。例えば、マラソンの本番までに通常は40q走を3〜4本行います。しかし「2か月間、週に1本のペースで8本位走ると脚ができる」と小出さん。高地トレーニングについても普通は2000m弱で行いますが「高地への順応が高い選手は3000m以上登るよ。世界と戦うために大事なんですよ」としみじみと話すのでした。
常識に捉われないから、有森裕子さんや鈴木博美さん、高橋尚子さんなどの世界的な選手を育てられたのでしょう。「見てな、もう1回金メダリストを育てるよ」と75歳の小出さんは元気満々。そのためにお酒を止めて3年が過ぎます。
(共同通信/2014年11月10日配信)
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