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おしゃべり散歩道2014

市民ランナーの鑑

 紅葉明かりに包まれた12月初旬、都内で第27回ランナーズ賞の受賞式(主催:アールビーズスポーツ財団)が開かれました。マラソン人気の昨今ですが、この賞は市民ランナー界に広く貢献し、ランニングの普及・向上に務めている人・団体に贈られるものです。 今回は3人と1団体が受賞。その顔ぶれの何と素晴らしかったことでしょう。先ず阿南重継さんは現在89歳。昨年は年齢別(88歳)で1位(5時間41分37秒)で、まさに健康長寿のお手本です。受賞式では血色のいいお顔で「歴代最高齢(116歳)を更新し、マラソンのおかげで長生きできたと言いたい」と元気な声で。
 走る科学者と言われる山地啓司さん(72歳)も受賞。1989年ランニング学会設立時には中心的役割を果たされて、科学の力でランニングを支えてくれた恩人です。
 また夜久弘さん(69歳)はペンでランニングの世界を広げてくれた方。マラソンの魅力を伝える多くの著書があり、市民マラソンの広報大使のような活動を長年行ってこられました。
 そして日本糖尿病協会マラソンチーム。「糖尿病患者の生活の質の向上とその支援」という目的で活動するチームで、患者さんと医師、医療関係者が一緒に練習したり大会に出場したりしています。日本糖尿病学会理事長の清野裕さんの話によると、国内患者と予備軍はおよそ2210万人。「医師の間でも糖尿病にランニングは有効だと言う考えが広まっています」と清野さん。
 今年の受賞は健康長寿にスポットが当たりました。確かに、走る人が増えれば医療費や介護保険財政の削減に貢献するでしょう。受賞者の溌剌としたお顔を見ながら“ランニングが日本を救うかも”と思いました。

(共同通信/2014年12月8日配信)

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