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おしゃべり散歩道2015

体の基礎づくりを

 第34回大阪国際女子マラソンはタチアナ・ガメラさん(ウクライナ)が圧勝。後半に追い上げるレースが得意なガメラさんが5キロ過ぎにペースを上げ、そのまま先頭を譲ることなく2時間22分9秒の好タイムでゴールしました。日本選手たちは面食らった感じです。レース後の食事会で前半から積極的だった理由をオスマックコーチに尋ねると「同じく後半に強いプロコプツカさん(2位・ラトビア)がいたからね。強敵だと思って作戦を変えたんだよ」とにっこり。そして「日本は捨て身のように前半飛ばす。サムライスタイルだ」と言われてしまいました。
 日本人トップで3位に入った重友梨佐さんは積極的にガメラさんにつき、後半のペースダウンも最小限におさえました。復活への第一歩です。ただ日本のエースが4分以上もトップから引き離されるとは情けない。レース後の日本陸上競技連盟の記者会見で私は、2003年は21分台で3人の日本人が優勝を争ったことを例に出し、今後の強化方法について質問。マラソン部長の武冨豊さんは「練習量が減っているのは確か。昔の選手のような練習をすると故障してしまう体の弱さがある。基礎からの体づくりと自主的な練習への意識を高めることが大事」と話した。そして尾県貢専務理事は「中学、高校のレベルは上がっている。今後、大学や実業団との連携が大切」と付け加えました。5年後の東京五輪へ向けてじっくり取り組んで欲しいと思います。
 今回の大阪では、新たな取り組みとしてネクストヒロインという制度を新設し、20代前半の実業団選手や大学生がレースを経験。このように若い選手の舞台を増やすことも、基礎づくりにつながるでしょう。  

(共同通信/2015年1月26日配信)

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